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殺人病ファイル

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著者:21世紀感染症研究会
価格:¥ 977
日経BP社


■ 内容紹介

出版社/著者からの内容紹介
 人の体内に潜み血管の中で何十匹もの成虫を繁殖さて感染者の皮膚を象の皮のようにボロボロにしてしまう寄生虫。旧ソ連や米国で兵器に使われた疑いが残る細菌や、近年次々と発見される未だ治療法が全くわからない殺人ウイルス……秘境ツアーが人気を呼び、企業がビジネスチャンスを求めて地球の隅々まで足を踏み入れる昨今、「殺人病」は決して他人事ではない。本書では、致死率、感染力などを考慮し独自に危険度を示した56の病原体を克明に紹介する。


抄録(「電子書店パピレス」より)
 たった一回のインフルエンザの流行で、世界で二〇〇〇万人以上の人が死んだことがあるのをご存じだろうか。それも、これはそう遠い昔のことではない。
 時は、第一次世界大戦も終盤にはいった一九一八年春。西部戦線ではドイツ軍の攻勢が続いていた。このとき、フランス南部の米軍駐留基地に突如姿を現したのがインフルエンザウイルスである。米仏の連合軍はインフルエンザの前に戦力が急低下し、敗北に次ぐ敗北を余儀なくされる。
 ところが、ここで西部戦線に異状が起こった。八月になると、ドイツ軍に加勢してきたインフルエンザウイルスの“攻撃目標”が変わり、今度は標的をドイツ軍に向け始めたのだ。世界最強の兵員と装備を誇ったドイツ陸軍も、インフルエンザウイルスの一撃にはなす術がなかった。結局、この西部戦線でインフルエンザウイルスに大敗を喫したドイツ軍はじりじりと退却し、十一月には停戦に合意、第一次世界大戦は終結する。
 気まぐれなウイルスは、その後ヨーロッパ各国を総ナメにしただけでは収まらず、南北アメリカ、アジアで猛威を奮った。日本もその例外ではなく、その年の冬から翌春までに三波に及ぶ流行に見舞われた。二五〇〇万人が病気にかかり、死亡者は三八万人に達した。結局、十八年春から十九年春までのたった一年間で、全世界で患者は六億人に達し、死亡者数は二〇〇〇万人とも二五〇〇万人ともいわれるまでになった。この大流行は「スペインかぜ」と呼ばれる。(ただしスペインは流行の発端でも中心でもなく、なぜ「スペイン」なのかは不明)。この病気による死者の数は、大戦中の戦死者の数をはるかにしのぐ。爆発的な蔓延で人類滅亡への最終感染症かといわれるエイズでさえ、感染者の数は一五〇〇万人に過ぎない。いかにインフルエンザの威力が強大であるかが想像できる。

 ●全身をかけめぐるウイルス
 台湾をはじめ、日本やアジア各国で絶大な人気があった歌手のテレサ・テンさんが旅行先のチェンマイで九五年五月八日、急死した。享年四二歳。死因はぜんそくの発作による呼吸不全と発表された。しかし、数日前から発熱があって体調を崩していたと伝えられており、ぜんそく発作の引き金となったのはインフルエンザだったという見方が有力だ。
 このように、インフルエンザは直接の死因にはならなくても、呼吸器や心臓の病気の引き金になり死をもたらすという恐ろしさがある。
 多くのかぜウイルスが、感染の入り口となる鼻や咽喉などで増殖して症状を現すのに対し、インフルエンザウイルスは血の流れに乗り、全身のあらゆる器官、組織に到達し、思う存分に暴れ回る。強い関節の痛み、筋肉痛、激しい高熱などインフルエンザに特徴的な症状はこうして起こる。インフルエンザウイルスの攻撃ターゲットには心臓や肺などの重要臓器も入る。そして、重症の肺炎や心筋梗塞、心不全など致命的な病気の併発を引き起こしている。

 ●統計の影に隠れた殺人力
 天災や戦争でもない限り、人の死には一定の季節的な増減がある。例えば日本では、月ごとに死者の数を見ると秋口を底にして一月前後をピークとするリズムがある。イギリスなどでの研究で、この全死亡数のふくらみは、実はインフルエンザの流行の山とピッタリ一致することがわかっている。つまり、インフルエンザが流行ると確実に人が死ぬのだ。
 インフルエンザの殺人力は、「超過死亡」という指標にさらに端的に現れてくる。「超過死亡」とは、実際の死亡者数を、前述のリズムを加味して統計的に予測される全死者数と比較して“余分に”死んだ人の数(率)だ。
 例えば一九六八〜六九年のA香港型ウイルスの流行時の日本人の超過死亡は十万人当たり約八〇人であり、日本全国では、インフルエンザのために数万人が“超過して”死んだことになる。インフルエンザ流行の規模が大きいほど「超過死亡」は増える。アメリカではCDC(防疫センター)がインフルエンザの発生動向を知る目安として、この超過死亡の動きを、週単位で集計、発表している。
 これらの死は、統計上は、肺炎や心臓病とされる。しかし、実際にはインフルエンザウイルスの殺人力による死にほかならない。
 しかも、このウイルスは感染力がきわめて強い。一旦流行し始めると、ごく短期間で学級閉鎖、学校閉鎖といった事態に至るような感染力は、並のかぜウイルスはもちろん他のどんなウイルスにもない。


著者について
 21世紀感染症研究会
 医師を対象とした専門医学雑誌『日経メディカル』の澤井仁編集長(現『日経メディカル』発行人)を中心に、広多勤(現編集長)、小崎丈太郎、瀬川博子、浦田昌宏、中村克也記者によって構成されたグループ。著書に『ウイルスの恐怖』(PHP研究所発行)を持つ編集長を筆頭に、医療の現場のホットトピック、エイズ、肝炎、MRSAから、性病、食中毒、流行病、はたまた博物学を得意とする記者まで、多彩なメンバーを揃える。

■ カテゴリ




「殺人病ファイル」紹介ページの最終更新日時
2008年12月29日 00:04:10
ID:1320
※実際の販売・ダウンロードは『電子書籍パピレス』にて行われます。