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出版社/著者からの内容紹介
息をのむ不気味な現象、奇妙すぎる因縁……重く暗い怨みをかかえ、夜ごとさまよう孤独な霊たちはこの世に何を訴えているのか?! 心霊番組『あなたの知らない世界』での、数多くの取材体験や視聴者からの体験談を集めた衝撃の実話。
抄録(「電子書店パピレス」より)
看護婦の田中美香さんは、地方都市では中規模のいまの病院に移ってから、約半年。外科病棟で、毎日忙しい仕事をこなしていた。
そんなある日、宿直勤務だった彼女がナース・センターで看護日誌をつけていると、「ブーッ、ブーッ」
急に、ナースコールが静かな部屋に響き渡った。一瞬ドキッとし、時計を見ると深夜の一時すぎ。誰か具合が悪くなったのかしら、とあわててナースコールの応答機に向かった。
「はい。どうしました?」
「……」
なんの返答もない。
「どうかしましたか?」
「……」
おかしいなあ、間違って押したのかしら、などと考えていても、一向にらちはあかない。放っておくわけにもいかず、念のためナースコールを押した病室を見回ることにした。
「202号室か。……エッ?!」
その日、202号室は空室のはずだった。間違ってナースコールを押すわけがない。まさかいたずらではないだろうしもう一度、202号室の応答機に向かった。
「誰かいるんですか? 返事してください」
「……」
少々気味悪くも感じたが、ナースコールが鳴ったことは事実だし、202号室を確かめなければならない。さっそく懐中電灯をもち、廊下のいちばん奥から二番目にある202号室に向かった。一応、三回ノックし、ソッと戸を開けて、室内を懐中電灯で照らしてみたが、誰もいない。
「……いるわけないわよね……」
一人言をつぶやきながら、部屋の電気をつけ、室内を点検した。患者のいない二つのベッドがあるだけ。ほかにはなにもない。
「さっきのナースコールは、なんだったのかしら」
疑問は解けぬまま、ひとまず202号室に異状なし、ということで安心し、ナース・センターへもどった。ところが、
「ブーッ、ブーッ、ブーッ」
もどったとたん、またナースコールの音がする。さっきと同じ202号室。
「まただわ。悪質ないたずらね、いやになっちゃう」
急いで202号室へ駆けつけた。いたずら犯人は逃げるひまもなかったはずである。戸を半開きにし、隅々《すみずみ》まで懐中電灯で照らしてみたが、誰もいない。
「変だわ、逃げる時間なんてなかったはずよ」
部屋の電気のスイッチをつけたところ、おかしなことに、窓が開いてカーテンが風になびいていた。
「さっきは、閉まっていたのに……」
まさか犯人が窓から飛び降りたのでは、と窓下をよくよく目をこらして見たが、花壇に異常はない。なにしろ、原因がわからないということは気味が悪いもの。原因を究明しようという気にもなれない。とにかく誰もいないことだし、早くナース・センターにもどろうと、室内の電気を消してドアを開けたとき、
「ヒイッ!」
夜叉《やしゃ》のような顔をした女性が、目の前に立ちはだかったのである。手には、手術用のメスをもって……。声も出ないままあとずさって、空のベッドの向こう側に回った。その女性は、ジリッ、ジリツと近づいてくる。
著者について
新倉 イワオ(にいくら いわお)
1924年生まれ。民放局の番組制作プロデューサー、ディレクターを経て、60年、放送作家に転向。68年以来、自らの心霊体験を契機に心霊界に興味を抱き、広く国内・外の取材にあたる。現在(財)日本心霊科学協会理事、新倉イワオ談話室・ENの会を主宰。
I ●血の気が引く
癒されぬ亡者の怨念が、復讐の機を狙っている
ピアノ狂奏曲
焼けただれた人形
彫刻室の怪音
外科病棟202号室
つかみかかる生霊
忘れられた三回忌
落人の棲む沼
II ●背筋がゾッとする
供養されない無念を訴え、さまよう霊が憑依する
壁
選ばれた供養人
骸骨にかわる美女
引き裂かれた遺体
不倫の復讐
III ●震えが止まらない
強烈な生への執着が、霊たちの成仏を阻む
タクシードライバー
真夏の悪夢
生まれてきたかった少女
涙のプログラム
双子の人形
無口な訪問者
許されざる隣人