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出版社/著者からの内容紹介
すすり泣く仏壇、死の訪れをかぎとる女性。常識を超えた異様な現象と戦慄の体験は、誰のしわざか……心霊番組『あなたの知らない世界』での、数多くの取材体験や視聴者からの体験談を集めた衝撃の書、第二弾!
抄録(「電子書店パピレス」より)
その夜、午前一時を少し回って、家族が寝静まったころ、二階の自室から延明君が転がるように階段を降りてきた。その騒々しい音で家族全員が目をさまし、青ざめて興奮している延明君を取り囲んだ。
「延明、延明どうしたの?! 何かあったの?」
という母親の声に、しばらくは口もきけなかった延明君だったが、ようやく事のなりゆきを説明しはじめた。
「僕は完全に熟睡してたと思うんだけど、脚を氷みたいに冷たいものが引っぱるんで目がさめた。僕の足をぐいぐい引っぱるんだ。足が布団《ふとん》から出てたせいで冷えたのかと思ったけれど、なんともいえない嫌な寒気がして、そのうちに胸が苦しくなった」
高野さんが言葉をはさんだ。
「今は五月だぞ。気のせいだッ」
「違う、気のせいじゃないッ。やっとの思いで布団に足を入れたんだ。すると今度は、壁に向かって寝ている僕の背中の方に誰かがいる気配がするんで、思いきって反対側をふり返ってみたら……」
延明君は恐怖の表情で声をつまらせ、話が先にすすまない。
「で、どうしたのよ? 何かあったの? 何か見えたの?」
姉がせかせる。
「いたんだよ!! 見たんだよ!! 女の人が……、洋服まで覚えている、若い女の人が、ベッドの横に座って、ジーッと僕を見ていたんだ」
やれ夢だ、幻覚だと家族の意見は喧喧諤諤《けんけんがくがく》。しかし、延明君は絶対に夢や幻覚ではないといいはった。
毎月毎月、十八日に決まって起こる父親の悪酔い、そして長男延明君の見た女性の影……。いったい何が起こっているのか、ただならぬものを感じた高野さんは、霊能者M氏の力を借りて、霊視してもらうことにしたのだった。
そして数日後、霊能者M氏は高野家を訪れた。
高野家の玄関を入るなり、M氏は小声で囁いた。
「これは大変なお宅ですよ」
一家の夕食をとる居間を一巡してから、延明君が女性の幽霊を見たという部屋に案内する。物理現象として、姿を現した場所の方が、より霊との交信がしやすくなるためである。
家族全員が二階の長男の部屋に集合して、いよいよ霊視がはじまった。霊能者の口を通して、次々と霊界からの伝言が伝えられる。
その内容は、次のようなものであった。
●私は女性、二十一歳で他界した。
●私の眠っている墓地は整地され、今はマンションが建っている。
●私の墓石は新しく建立されたが、以前からあった墓石はどうしたのか? それは、この家の者が調べてほしい。この家に関係がある。
高野家の人たちには寝耳に水であった。
とはいえ、新築した家である。材木も、整地のために使った土も、どこから運んだものかもわからない。霊能者が告げたとおりだとすれば、これは徹底的に調べてみなくてはならないと、さっそく建築業者に調査を依頼した。
また、その女性がどこの誰かはわからないが、まず無縁仏として、家族一同で供養することにした。
それにしても、墓石がこの新築の家に関係があるとするならば、いったいどこに使われているのか? 家屋の土台かもしれぬ。砕《くだ》いて壁の中に混ぜられているのかもしれない。ひどく面倒な事になったものである。もう少し時間をかけて探ぐるしかないという結論が出された。
ひととおりの供養も終わって、M氏が高野家を辞去することになった、その時である。彼は大変なことに気がついた。玄関前に敷かれた砂利が、靴の底に小石を踏みつけた時のように感じられたのだ。
しゃがみ込んで、その敷石を一つ拾ってみると、
「高野さん、この石は墓石じゃありませんか?」
一瞬、一家は息を飲んだ。恐る恐る足下にある小石のいくつかを掌《てのひら》に載せてみると、文字らしいものが刻まれた少し大きめのものも発見された。
著者について
新倉 イワオ(にいくら いわお)
1924年生まれ。民放局の番組制作プロデューサー、ディレクターを経て、60年、放送作家に転向。68年以来、自らの心霊体験を契機に心霊界に興味を抱き、広く国内・外の取材にあたる。現在(財)日本心霊科学協会理事、新倉イワオ談話室・ENの会を主宰。著書には、小社の『心霊怪奇・あなたの知らない世界』などがある。
I ◆取り憑かれたら逃れられない──
成仏できぬ怨念が戦慄の「霊障」を引き起こす
墓石の祟(たた)り
怨霊留置所
迷子になった遺骨
忘れ去られた供養
すすり泣く仏壇
形見のフォーマルスーツ
喋る日本人形
電話ボックスの怪
II ◆決して信じてもらえぬ事実──
私は霊に引きずられ「異次元世界」に迷い込んだ
戦場の幻
死者に呼び出された女
霧に包まれた少女
燃えさかる野火
お礼に来た死者
遅すぎた帰郷
III ◆いつまでも耳から離れない──
今夜も、あの世からの不吉な「予告」に襲われる
火事を予告する主婦
死の訪れをかぎとる女
無縁仏
憑依霊の演奏会
裁(さば)かれた霊能力
夢のお告げ
姑(しゅうとめ)の生霊を呼んだ嫁