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出版社/著者からの内容紹介
他人といかによい関係をつくり、上手に相手を説得して、交渉事を有利に進めるかについて、具体的に、わかりやすく、実例を多く交えて紹介した、役立つ一冊。出たとこ勝負になりがちな説得、折衝、交渉事を楽しくマスターしましょう。
抄録(「電子書店パピレス」より)
1 初頭要求極大化の法則
交渉においては、初頭要求極大化の法則、つまり「大きく要求すれば大きく得られる」という法則がある。要求水準は高く設定せよ、というものである。逆にいえば、要求水準が低いと低いだけしか手に入らないのである。
もちろん法外に高い要求をしたとき、決裂する可能性も高い。しかし、妥結したときは、間違いなくいい結果を得られる。
ネゴシエーション・セミナーでアメリカ人と日本人が交渉したとき、日本人はアメリカ人の予想をはるかに下回る値から交渉に入る。
欧米人は初めから大きく要求してくる。結果はいつも日本人側の負けになる。それは単に交渉力の差というよりも「初頭要求」の差によるものである。
通常、欧米では本当の要求額(本音)の七倍を要求してくるという。それから徐々に譲歩して要求に近づける。
たとえば、自動車事故で、おそらく五万円くらいかかる修理費を請求するのに、欧米人は加害者に三五万円くらい請求するわけである。そこから交渉が始まって徐々に要求を下げていき、最終的に五万円に落ち着けばよい、と考える。実際のところ三五万円請求したとき、ほとんどの場合五万円以上の額で妥結する。
これは私の実施している交渉力セミナーでもいままで一度の例外もなく実証されている。
また、真っ正直に初めから五万円しか請求しない場合、相手に粘られ、値切られて、結局四万円ないし三万円で決着することも多い。
交渉の鉄則として、作戦の段階で要求を高めにして譲歩の余裕を持ち、譲歩のできる幅をあらかじめ設定しておいたほうがよい。
もともと交渉は双方の譲歩により成立する。片一方のみの譲歩を強要すること自体はフェアな取引ではない。そこでギブアンドテイクの精神が必要である。読んで字のごとくギブが先にきている。本来、何かを得るためには、その代価を与えねばならない。譲歩の幅を多く持っていたほうが精神的にも優位に立てる。
2 情報を持っている者が勝つ
「敵を知り、己を知らば、百戦して危うからず」(孫子)あるいは「スパイに使う金ほど有効な金の使い方はない」(カリエール)というように、交渉においては情報が重要である。
相手の手の内をこちらがすべて知っていて、なおかつ相手がこちらのことをすべて知らない場合、こちらが断然有利になる。
たとえば、あなたが電気冷蔵庫を買いにデパートへ行ったとする。定価二〇万円と値札のつけてあるものを指して店員に、「二万円負けてください。現金で払いますから」と言った場合、負けてもらえるだろうか。答えは絶対にNOであろう。
しかし、近所の電機屋で冷蔵庫の在庫を持て余している、しかもメーカーに対する支払い期日が明日で、手持ち資金、現金不足に深刻に悩んでいる、という情報をあなたが持っている場合はどうだろうか。間違いなく、あなたは現金払いをちらつかせることで相当の値引きを得ることが可能であろう。
逆にこちら側の情報、たとえば、「いま使っている冷蔵庫が壊れてしまって、中の食べ物が腐っている状態になっている。しかも明日お客さんが来るので、ビールを冷やしたり、スイカを冷やしたり、いろいろと食べ物を用意せねばならない。どうしても今日中に配達してもらいたい」という事実を電機屋の主人が知っていたらどうであろうか。
その場合はもちろん、電機屋の交渉状況はかなり有利になるはずである。
そこから、次の交渉法則が導き出される。
「相手の情報を得よ。自分の情報は隠せ」
次に、その情報の入手方法を考えねばならない。当然のことながら情報を集める時期は早ければ早いほど有利であり、また手に入れやすい。
事前の調査による情報入手のほかに、交渉の最中にも相手から情報を得ることも可能である。上手に質問し、聞き出さねばならない。たとえば「ご予算はいくらくらいですか」と聞くだけでも確かな情報が入手できることもある。
著者について
箱田 忠昭(はこだ ただあき)
インサイトラーニング(株)代表取締役
●──昭和17年生まれ。慶応大学商学部、ミネソタ大学大学院修了。日本コカ・コーラの広告部マネジャー、エスティ・ローダーのマーケティング部長、パルファン・イヴ・サンローラン日本支社長を歴任。その間、米国で著名な話し方、リーダーシップ、人間関係のセミナーインストラクターとして、ビジネスマンの指導にあたる。
●──昭和58年、インサイトラーニング(株)設立。プレゼンテーション、ネゴシエーション、セールス、時間管理等のコミュニケーションに関する専門家として、企業人の教育研修に専念。また、経営者から新入社員を対象とした講演活動を行なう。
〈著書〉
『駄目でもともと』『人生目標達成の6つのステップ』(日新報道)、『成功するプレゼンテーション』(日本経済新聞社)、『ビジネスに成功する時間活用術』(実業之日本社)、『すぐに役立つ交渉術』(同文書院)、『キラリと光るビジネス禅語101』(太陽企画出版)、『時間革命』(KKベストブック)
第I章 すべては交渉で手に入る
1 交渉の実践的定義
2 少しでも不満なことは交渉可能である
3 こんなときどうするか
4 交渉のチャンスを逃すな
5 交渉力の自己チェックリスト
6 人は事実でなく言葉に反応する
7 人は相当程度曖昧でいい加減である
8 人はあなたをまず否定する
9 相手のNOはNOではない
第II章 交渉態度が決め手となる
1 意見の相違や対立にどう対応するか
2 交渉態度三つのスタイル
3 「アサーティブ型」になろう
4 どのようにしてアサーティブ型になるか
5 アサーティブな態度の利点
6 なぜ攻撃的または服従的な態度をとるのか
7 アサーティブ型が必ず成功する
8 人を説得するときはアイ・メッセージで
9 DESC話法による自己主張法(I)
10 DESC話法による自己主張法(II)
第III章 聴き上手は説得上手
1 聴くことの五大利点(I)
2 聴くことの五大利点(II)
3 説得のコップ理論
4 聴き方のルール(I)
5 聴き方のルール(II)
第IV章 交渉戦略必勝テクニック
1 初頭要求極大化の法則
2 情報を持っている者が勝つ
3 力関係を逆転する法
4 交渉の時間戦略は九〇/一〇の法則
5 競合をちらつかせろ
第V章 交渉戦術一一のテクニック
1 サラミソーセージ法
2 フェイント法
3 既成事実法
4 偽退陣法
5 よい子・悪い子法
6 ピックアップ・メンバー法
7 踏み込み法
8 責任転嫁法
9 のけぞり法
10 コールガール法
11 くいつき法