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出版社/著者からの内容紹介
経営環境がますますシビアになり、どの企業も喉から手が出るほど仕事を欲している。だからこそ、トップから社員一人ひとりに至るまで、柔軟な発想で新しい価値のある仕事を生み出していかねばならない。誰も教えてくれなかった創造的ビジネスのノウハウを豊富な具体例で徹底解説する。
抄録(「電子書店パピレス」より)
【後の処置が悪ければ、致命傷になる】
安全などとは直接関係のないサービス業や管理部門の仕事などの場合も、基本に忠実であることは大切だ。
しかし、これも人間のやることだし、ミスはつきものである。特に接客業などの場合、相手がお客であるから、基本に忠実にしているつもりでも、人の好みやTPOによって、必ずうまくいくとは限らない。ある一流ホテルのフロントで起きた事件(?)を紹介する。
A社の幹部で、社員の慰安旅行の幹事を引き受けたBさんは、その打ち合せに、あるリゾート地の高級ホテルを訪れた。
ところが、アポイントをして行ったにもかかわらず、フロントには誰もいない。しかたなくBさんがフロントでしばらく待っていると、フロント係が姿を現わした。そして、Bさんに、とがめるような一べつを与えた。その後の一言、
「何ですか」
Bさんが「A社のBですが」と名乗ると、
「あっ、そうですか」
――Bさんの心証は想像にかたくない。
フロント係は、アポイントがあったのだからフロントを留守にしてはいけなかった。これは、明らかに基本無視。が、何かやむを得ない事情で席を外して、お客様を待たせた。そこまでは致し方ないとしても、お客の顔をうさんくさそうに見てはいけなかった。これで、減点2。その上、次の一言が「何ですか」。これで、減点は致命的になった。さらに、次の一言が「ああ、そうですか」。これで、Bさんの心証は決定的に悪くなった。
これでは、器(ホテルの建物や設備)がいくら立派でも、中身は三流以下、いやこれで商売ができるのかと、疑いたくなる。
【ミスをおかしたら、躊躇なく軌道修正】
いや、商売以前の問題なのかもしれない。
お客様を迎える人としては、プライベートな生活においても
「いらっしゃいませ」
「お待たせいたしました」
「ようこそ」という一言が出て、当然ではないか。
このケースで学んでいただきたいのは、最初のポカミス、ウッカリミスは、人間のことだから、やむを得ないかもしれない。しかし、問題はミスをおかしたことよりも、
・ミスをおかした後の処置が重要な意味をもつ
ことである。
この場合も、アポイントがあるにもかかわらず、Bさんを待たせてしまった。そこまでは、まだ、とりかえしがついたのかもしれないのだ。
席に戻ったフロント係がBさんの顔を見て
「お待たせいたしました。ようこそ」
と一言いっていれば、これで流れはスムーズに元に戻ったはずである。
あげくの果てに「ああ、そうですか」――これでは、ぶちこわしである。
Bさんは、このホテルでの二〇〇名の宿泊予定をとりやめにした。ホテル側にとっては、実に四〇〇万円以上のビジネスが水泡に帰したわけである。
が、それだけではなかった。その後、同業の旅行幹事の会合で、Bさんが、このホテルの話をしたところ、このホテルでの慰安旅行を中止した会社が続出したといわれる。正確なことは分からないが、おそらく一〇〇〇人以上の宿泊収入がふいになったものと思われる。
これでお分かりのように
・これからのビジネスでは、立派な器にふさわしい「立派な中身」をつくること
が非常に重要なのである。
著者について
国司 義彦(くにし よしひこ)
1936年東京都生れ。学習院大学卒業。
日産自動車株式会社を経て、株式会社JMC能力開発センターを設立、代表取締役。
多数の企業の経営者、管理者の指導に当たる一方で、早くから「心の豊かさ」、「自己現実」を提唱し、『マズローの心理学』(産能大学出版)の著者F・ゴーブルらと、研究、啓蒙活動を展開。日本における人間性心理学のパイオニアとして、全米にも広く紹介されている。
著書に、『「問題解決」の基本がわかる本』(PHP研究所)、『感性の磨き方』(産能大学出版)、『20代だからできること、すべきこと』『人生、55歳からがおもしろい』(日本能率協会マネジメントセンター)、など多数。