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誰が会社を潰したか

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著者:北澤千秋
価格:¥ 1,344
日経BP社


■ 内容紹介

出版社/著者からの内容紹介
 1997年11月24日 山一証券、自主廃業発表!
 涙の記者会見を見て、あなたは何を感じたか。――山一破綻は確かに日本の経済社会に大きな衝撃を与え、現象面ではさまざまな変化をもたらしたが、根っこの部分では日本は何も変わっていなかったのではないか。その意味で、山一は日本経済にとって“捨て石”にさえならなかったのかもしれない。――


抄録(「電子書店パピレス」より)
 日経平均株価がバブル崩壊後の最安値となった一万四千三百九円を付けたのは、その前年の九二年八月十八日。九三年になっても株式相場が本格的に出直る気配は一向に見えず、証券会社の経営をフローの面からみると、各社は赤字の垂れ流しで資産を食い潰す、長期の体力消耗戦に突入していくころだった。一方、ストック面でも多くの証券会社はバブル時の負の遺産を抱え、苦境に陥っていた。相場の回復に望みをかけて抱え込んでいた簿外の損失を処理しようにも、フローの利益が上がらないためままならない。
 そうこうするうちに株価の下落で損失は膨らみ、のっぴきならない状態に追い込まれる証券会社も現れた。九三年八月にはコスモ証券が七百三十億円の飛ばしに伴う損失を出して大和銀行に救済買収され、翌九四年三月には、勧角証券が同じく飛ばし絡みで五百億円の損失を抱えていたことが発覚し、第一勧業銀行から資本面の支援を受けざるを得なかった。
 こうした中、マスコミ各社の強い関心を集めていたのが山一証券だった。ある経済誌が山一の「飛ばし疑惑」を初めて報じたのが九二年。以来、山一に巨額の飛ばしがあるといううわさは繰り返し市場に流れ、山一がいくら否定を重ねても消えることはなかったからだ。九三年二月には英経済誌『エコノミスト』も【山一に九千億山一破綻とは何だったのか円の飛ばし】と報道し、山一の「飛ばし疑惑」は海外の市場にも広く知られるようになっていた。
 しかも山一の業績不振は大手四社の中で突出しており、九二年三月期には五百三十二億円、九三年三月期には四百四十六億円という巨額の最終損失を計上していた。ここでコスモや勧角のように飛ばし絡みの巨額損失が表面化すれば、会社の存続にかかわる事態に発展するのは間違いない。山一に対する証券記者の取材は、常にこの「飛ばし疑惑」を意識して進めなければならなかった。
 関係者への取材を重ねるうちに、山一に何らかの飛ばし絡みの有価証券があるのではないか、という疑惑はますます強まった。理由は簡単で、一千億円以上の「飛ばし玉」を完璧に闇に沈めることは不可能に近いことだったからだ。実態をすべて把握していたのは経営トップらごく一握りの関係者に限られてはいただろうが、巨額の損失を沈めるには実行者が必要になる。たとえ実行者ではなくても、不自然な取引は社内の関連部署にいればそれとなくわかる。
 商品部門には「ウチの債券売買益がこんなに少ないのは利益をどこかに付け替えているからではないか」と不信を抱く人間がいたし、事業法人部門には直接飛ばしとはかかわっていなくても「飛ばしを解消せずにそのままになっていたあの会社との取引はどうなったのだろうか」と首をかしげる人間がいた。
 確信はないまでも、多くの山一関係者は「何かがあるだろう」と疑念を抱き、「飛ばし疑惑」がマスコミに報道されるたびにその疑念は増幅された。社内を覆うそんな不信と不安の空気が、山一を取材する側の人間に伝わらないはずはなかった。
 その一方で、大蔵省証券局や証券取引等監視委員会の幹部らの取材を進めるうちに「当局が山一の飛ばしを表沙汰にすることは決してないのではないか」とも考えるようになっていった。証券局や監視委幹部の発言の端々に、山一の飛ばし疑惑にかかわることを意識的に避けているような雰囲気を感じたからである。
 ある証券局首脳には、山一の「飛ばし疑惑」への対応を問うたびに「マスコミが市場のうわさに踊らされてはいけないですよ」と諭され、ある監視委幹部には「今さら飛ばしなんてする証券会社があると思うのか」と諌められもした。


著者について
 北澤 千秋(きたざわ ちあき)
 1957年生まれ。
 82年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業後、日本経済新聞社入社。企業調査部、編集局流通経済部、同証券部を経て、97年3月に日経BP社出向、日経ビジネス副編集長に。

■ 目次

山一破綻とは何だったのか
第一部 破綻
 第一章 人事迷走――破滅への坂道
 第二章 メーンバンク逃亡――二正面作戦の頓挫
 第三章 衝撃――大蔵省の決断
 野澤正平社長インタビュー
第二部 病巣
 第四章 再生――四十年恐慌の教訓
 第五章 血族たちの経営支配――銀行からの独立
 第六章 摘まれた改革の芽――三菱重工事件
第三部 暴走
 第七章 バブルの狂気――法人財テクの罪
 第八章 プライドと保身――損失隠蔽
 第九章 最後のチャンス――損失補填事件
第四部 責任
 第十章 大蔵省は知っていた――東急百貨店事件
 第十一章 大蔵省の変節――証券行政の歪み
 第十二章 責任追及――曖昧な日本
あとがき
 社内調査報告書―いわゆる簿外債務を中心として―
 山一証券粉飾決算事件・検察側冒頭陳述の要旨
 山一証券・百年の歴史

■ カテゴリ




「誰が会社を潰したか」紹介ページの最終更新日時
2006年4月8日 21:22:23
ID:138
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