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出版社/著者からの内容紹介
各メーカーの製造部門で、たえず仕事の見直しが行われ、技術、品質、作業方法などの改善が推進されてきた結果、今日、商品の品質は素晴らしくなっている。ところが、同じメーカー内部でも、「企画」「事務」「管理」などスタッフの「仕事の質」となると、必ずしも向上しているとはいいきれないのが実情。
そこで本書では、仕事の‘質的向上’という面で遅れをとっているメーカーの非製造部門、それに流通業、サービス業における「仕事の見直し」「改善」「向上」の方法を具体例をあげながら伝授します!
抄録(「電子書店パピレス」より)
5 西武百貨店・渋谷店の「A―ONE作戦」
■「アクティブ・クリエイティブ・プラン」の一環として
西武百貨店では、昭和五六年九月から労使協調による総合福祉計画が企画され、同五七年三月から実施されました。この計画のねらいは、生産性の向上によって高収益を実現するとともに、社員一人ひとりに福祉をもたらそうとするところにあります。
その計画書の表紙に、「社員一万人自らの主体的参加と挑戦によるHIGH QUALITYの実現」と銘打ってあるところから見ても、このプロジェクトが本書で述べた「C・R(意識変革)」の考え方とピッタリ一致していることが分かります。
もっとも、この計画には「小集団活動」だけでなく、体系的能力開発計画や、一種のプロジェクト・チームである「クリエイティブ・ボード」なども含まれており、小集団活動はあくまで総合計画の一環としてとらえられています。
西武百貨店では全店で小集団活動が展開されているわけですが、その運営は各店に任されています。
渋谷店の小集団活動は「A―ONE作戦」(トップをめざせ)と名づけられ、活発な改善運動により数々の成果が生まれつつあります。チームは係単位で編成され、その数は約一二〇にものぼります。各チームのリーダーは若手社員がつとめ、係長はアドバイザー、課長は各職場のチームを総括的にサポートするコーディネーターとして裏方に徹しています。
総合事務局は、人事教育部が担当しています。五八年度は、半期に一度、各部門五チームの中から一チームが選定され、全店の発表会が行われました。予選の審査には部門長および課長が当たり、本選では、生産性向上委員(労使の代表委員で構成)が審査員となります。これらのお膳立て、運営は、すべて事務局が担当しているわけです。この記事を取材したときは、参加二一チームによる下期の全店発表会が終了した直後で、最終選考が慎重に進められている最中でした。
どのチームが最優秀賞に選ばれるかはまだ決定していないのですが、どこが選ばれても、遜色のない立派な成果が上がっているように思われました。その中の一つを簡単にご紹介しますと、家庭用品フロアの「恐怖のBO軍団」(リーダー原口明美さん以下一四名、面白いチーム名ですが、チーム全員の血液型が、B型またはO型であることに由来するとのこと)では、メインテーマの「新しいサービスのあり方」を具体化し、「カタログ販売の充実」ほか一件を問題点としてとり上げました。
この売り場は、「取り扱い品目が多い割に売り場面積が狭く、お客のニーズに対応しきれない場合が多い」というのが実情です。
そこで「手づくりのカタログ集を作ろう」と計画し、実に二〇冊もの手づくりカタログ集を完成、これを活用して、「より広いお客のニーズに対応する」とともに、「売上げアップ」も実現したのです。
■西武百貨店にみる「流通サービス業」の改善運動のあり方
この「恐怖のBO軍団チーム」が一ばん苦心したのは、「いかにしてチーム内のコミュニケーションと意志統一をはかるか」という点だったようです。何しろ、お客様相手の職場だけに、事務所や工場のようにチーム全員が集まって話し合う機会がほとんどないからです。全メンバーが女性で終業時間も遅いために、定時後に話し合うこともなかなか困難でした。そこで、コミュニケーションをはかるために、「A―ONEノート」という連絡帳を活用したのです。細かい連絡はすべて、このノートに書き込み、読んだ人はこれに捺印し、意見があればノートに書いてもらうことにしたそうです。
実際のカタログ集めと整理は、営業時間の合い間を縫って行ったそうです。
一見何でもないことのようですが、こうした細かい努力を、とにかく「実行した」ところに大きな価値があります。同じ立場におかれても「売り場が狭いからこれ以上は売り上げは伸びない」「お客様相手の職場ではミーティングはできない」と文句やいいわけばかりいっている人たちとくらべれば、雲泥の差です。
著者について
国司 義彦(くにし よしひこ)
学習院大学卒。日産自動車株式会社を経て、株式会社JMC能力開発センターを設立、代表取締役。
経営者、管理者、営業社員の指導・教育に活躍する一方、早くから「心の豊かさ」「自己実現」を提唱し、『マズローの心理学』(産能大学出版部刊)の著者F・ゴーブル氏らと、研究・啓蒙活動を展開。
日本における人間性心理学のパイオニアとして、全米にも広く紹介されている。
脱・経済優先社会への処方箋『苦悩と混迷を超えて』(F・ゴーブル著 泉文堂刊)の監訳者でもある。
公式ホームページ http://www.kunishi.gr.jp/
第1章 いまスタッフの「C・R(意識変革)」がなぜ必要か
1 製品の品質は向上したが……
2 流通・サービス業、スタッフ部門に宝の山が眠っている
3 人のふり見てわがふり正せ
――接客態度が悪いと会社のイメージ・ダウンになる
4 本社、工場事務部門の仕事を見直す
5 仕入れ、生産管理、倉庫(出荷)の仕事を見直す
6 「技術屋」の仕事を見直す
7 営業、サービス部門の仕事を見直す
第2章 スタッフの「C・R(意識変革)」成功の手がかりを探る
――なぜ非製造部門で改善運動が進まないのか
1 「忙しい」が隠れ蓑
2 評価されないからやりがいもない
3 「足並みがそろわない」はただの口実
4 まず「その気になる」ことから始めよう
5 仕事の中身を数字化してみよう
6 数字化できないサービスは「アンケート方式」で評価する
7 スタッフの「C・R(意識変革)」は案ずるより生むが易し
第3章 「C・R(意識変革)」の手法をどう導入するか
1 C・R(意識変革)は職場・仕事の見直しから始まる
2 職場環境の改善に取り組もう
3 改善には「波及効果」がある
4 まず管理者が「その気になる」ことが大切
5 「ゆとり」と「改善」は“にわとりと卵”の関係
6 「ゆとり」をムダづかいしてはならない
7 サービスに徹する
――関連職場の声を謙虚に聞こう
第4章 「スタッフのC・R(意識変革)」でこんな成果が期待できる
――(1)「人」の面で
1 電話応対、接客の改善で企業のイメージ・アップ
2 連絡徹底で、クレーム、トラブルの解消をはかる
3 連携プレーを成功させよう
――主として流通、マーケティングの分野
4 「C・R(意識変革)」は基本の徹底から
5 サービスの標準化で信用の拡大をはかれ
第5章 「スタッフのC・R(意識変革)」でこんな成果が期待できる
――(2)「モノ」「カネ」の面で
1 在庫切れやムダな在庫の改善
2 トラブルの元凶を正せば、「手直し」は減る
3 台帳のメンテナンスを確実に
4 経費はほんとうに生かされているか
5 「情報サービス」を根底から見直す
第6章 「C・R(意識変革)」を社内に定着させるコツ
1 改善の趣旨を隅々にまで徹底させよう
2 リーダーの条件と事務局の役割
3 グループ・ミーティングとその前後の活動
4 「C・R(意識変革)」における管理者の役割
5 「C・R(意識変革)」のテーマの決め方
6 事業所別発表会とその運営法
7 全社発表会とその運営法
8 トップの果たす役割
第7章 「C・R(意識変革)」成功の実例
1 三和銀行――クローバーサークル
2 富士ゼロックス――NX《ニューゼロックス》運動の一環として
3 リズム時計工業の「貿易デザインサークル」
4 鹿島・オフィスの意識変革
5 西武百貨店・渋谷店の「A―ONE作戦」
第8章 仕事の「質」で勝負する時代
1 サービスの果たす役割
2 縁の下の力持ちから表舞台へ
3 「C・R(意識変革)」の副産物
4 「C・R(意識変革)」が若者を変身させた!!
5 「C・R(意識変革)」は、能力開発につながる