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新・価格破壊

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著者:毎日新聞経済部
価格:¥ 494
毎日新聞社


■ 内容紹介

出版社/著者からの内容紹介
 モノの値段はどこまで下がる?
 円高、規制緩和の広がりとともに起きた熾烈な価格引き下げ競争の実態を一線記者がルポ、また、二人の専門家が対談で今後の推移を占う!
 値段はなぜ安くなったのか、海外との比較やコストの分析などを通して、価格破壊の最前線の姿を暴く!


抄録(「電子書店パピレス」より)
   カメラ――競争店を毎朝“偵察”

 東京・池袋駅前。「ビックカメラ」「さくらや」の大看板が目に飛び込んでくる。新宿と並び、カメラや家電など安売り三大チェーンの激戦地。「三割、四割は当たり前」といった宣伝文句で関東一円から客を集めている。
 取材を申し込んだが、二社に断られた。そこで最初に目についた「さくらや」に入る。人気の「ミノルタα5xip」のズームレンズ付きが七万九千五百円。メーカー希望価格の二四%引きだ。売り場で大学生が値引きを交渉している。白い歯がこぼれたのでうまく成立したようだ。
 すぐ近くの「ビックカメラ」で同じ商品をみた。こちらは八万二千二百円。ちょっと高いと思ったら「現金払いならさらに五%引き」とある。計算すると「さくらや」の表示価格よりも千円余り安い。
 実は安売り価格の裏には涙ぐましい努力が隠されている。「ビックカメラ」では毎朝、いの一番に店員をライバル店の「さくらや」や新宿の「ヨドバシカメラ」に派遣、値段をチェックする。「よそより一円でも安く」するためで、商品の入荷時など二、三週間に一回は値段を変える。
 この安売りの秘密について「ビックカメラ」の吉江真一郎常務は「スーパーと同じように、基本は大量仕入れ、大量販売」と明かす。大量注文の見返りに、大半のカメラはメーカー希望小売価格の四割引き以上、中には半値以下の卸値で仕入れている。そのうえ、店のマージンは十数%に抑えているので「三割、四割引きが可能になり、それがまた大量販売につながる」。
 場合によっては半値近くにまで下げて売られる“メーカー希望小売価格”とは何だろう。匿名を条件に、メーカー系のある大手販売会社の営業担当部長が口を開いた。
 「国内では希望価格で売られているのはゼロ。業界の一部には自由価格にしようという声すら出ている」という。昔のカメラの流通は一次卸と地域単位の二次卸があって、小売店も小さかった。「それぞれのマージンを確保するため希望価格が設定された」のだった。
 ところが、十数年前からカメラ専門店のチェーン店が、現金買いなどの手を使って、経営難の卸商から商品を安く仕入れ、大量販売を始めた。旧来からの取引小売店保護のために、価格維持の必要性に迫られたメーカー各社は、直営の卸販売会社を作って対抗する。吉江常務に言わせれば「商品を卸してくれないなど、厳しい価格戦争が何年も続いた」。
 しかし、コンパクトカメラブームや小売店の廃業もあって、東京ではチェーン系のカメラの取扱量が全体の半分以上を握るまでに成長した。「そうなると価格交渉の力関係は逆転する」(吉江常務)
 今ではメーカー希望小売価格は同クラス、同機能であれば、「他社見合いの価格。ウチだけ安くして安っぽく思われても損だ」(同部長)というのが実態だ。チェーン店側の値引き圧力に、メーカー系販売会社は「販社のマージンは一〇%余り。流通はこれ以上合理化できないので、結局無理を言って工場出荷価格を絞ってきた」と言う。
 一方で、既存の小売店も変化を求められている。池袋駅前のカメラ店主は「大半は現像や焼き付けでしのいでいるが、親子の代替わりの時、廃業する友人もいる」とポツリ。
 価格決定権を握ったチェーン店が、メーカーと既存流通業者にギリギリの合理化を迫る形で、価格破壊が進行しているのである。

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「新・価格破壊」紹介ページの最終更新日時
2008年12月29日 00:03:09
ID:532
※実際の販売・ダウンロードは『電子書籍パピレス』にて行われます。