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探偵は語る

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表紙画像
著者:東郷克利
価格:¥ 1,260
すばる舎


■ 内容紹介

出版社/著者からの内容紹介
 尾行や張り込みは仕事の一部分でしかない。むしろ、尾行や張り込みによって確認される「結論」を、いかに効率よく導き出すことができるか工夫するのである――。
 美人結婚詐欺師に騙された男性。退職者を追跡調査し情報漏洩に備える企業。ベテラン探偵が、二十余年の探偵稼業で出会った様々な人間模様、そして調査のノウハウを大激白する!


抄録(「電子書店パピレス」より)
   戸籍に写る暗影

 おめでたい話であるはずの結婚も、一歩裏側に回ると暗いドラマに遭遇することがある。
 頭が良くてたいそう器量よしの娘がいた。ある男性は彼女との結婚を切望した。ところが、彼女は婚約を前にして、戸籍謄本も見せてくれない。男性はいぶかしがった。
 調べてみると、彼女は無籍だった。戸籍が存在しなかったのである。
 彼女の父親は東大卒。母親は左翼運動家。そして、この父母は血のつながった兄妹だったのである。兄姉の結婚は認められていない。
 これほどミステリアスではないにしろ、戸籍調査ではじめて明るみに出る事実は数多い。
 二十代後半の女性からの依頼で、結婚調査をしたときのことだ。被調査人は、東京六大学の法学部を卒業した三十代半ばの男性だった。
 依頼人は、被調査人の戸籍謄本を手にしている。これを見る限り初婚である。ところが、彼女との結婚は、この男にとって六回目に当たるのだった。つまり、五回の離婚歴があったのである。
 この男は法学部を卒業しただけあって、法律の知識は豊富だった。
「これはおかしいな」
 私がピンときたのは、依頼人が持参した男の戸籍謄本を見ると、本籍を移してから日が経っていなかったからである。転籍することで、戸籍上は過去の婚姻歴が抹消される。
「これだけでは、過去の婚姻歴まではわかりませんよ。たしかに、今は配偶者がいないけれど、過去についてはわかりません」
 彼女の表情は見る見るうちに固くなり、戸籍の洗い直しを依頼された。
 さっそく、前の戸籍を取ったところ、協議離婚していたことがわかった。子供はまだ二歳だった。菓子折持参で前妻を訪ねてみた。
 離婚原因を探るには、被調査人の再婚相手の親族に擬装する。
「じつは、別れたご主人と私の姪に結婚の話がありまして。離婚した原因について、私たちは彼からこう聞いているんですが、本当のところはどうなんでしょうか。もしかして、あなたとの結婚以前にもなにかあったんじゃないでしょうか」
 離婚して一年以上経っていれば、別れた妻も冷静になっている。前妻は、淡々とこう言い放った。
「確かに、私の前にもあの人は結婚していました。が、一人や二人じゃないんですよ」
 さらに過去にさかのぼって戸籍を調べた。そして、彼にとって三人目の妻だった女性を探し当て、会いに行った。すると、なんとも悲惨な状況に出くわしてしまった。彼女は産後のひだちが悪くて働きに出ることもできず、子供を栄養失調で亡くしていたのである。
 この男はギャンブル好きで大変な怠け者だったこともわかった。
 もちろん、依頼人にはすぐ破談にするよう勧めた。転籍する理由で一番多いのが、離婚歴を隠すためであることは覚えておいた方がいい。


著者について
 東郷 克利(とうごう かつとし)
 大手調査会社で探偵調査を中心に担当し、のち独立。二十年以上のキャリアを持ち、現在は、さまざまな調査を手がけ、難解な調査を抱える同業者の相談にも乗るベテラン。
 人脈は広く、スピーディで正確な調査が高い評価を受ける。「本来、探偵は黒衣」との持論のもと、活躍している。

■ 目次

序章 百年前に死んだ女性を探す


第一章 罠
 東京駅八重洲地下の土産物店
 日常と非日常の隙間
 チークダンスと電話番号
 伝言ダイヤルを使った美人詐欺師
 電話とカセットレコーダー
 壊し屋
 接待攻勢で投資家リスト入手


第二章 擬装
 ニセ名刺
 記者証
 黒縁眼鏡の秘密
 電話という劇場
 警視庁の代表電話
 信者の数珠
 自動車教習所の名簿
 芝居としての土下座


第三章 追跡
 ホテル街のデパートガール
 小麦粉の足跡
 化かし合い
 カーチェイサー
 逃げたソープ嬢
 愛人のペット
 尾行される探偵


第四章 分析
 愛人名義の隠し資産
 豪邸と裏金のからくり
 預金残高照会の丁々発止
 会社謄本の役員欄
 結婚相談所の本音
 戸籍に写る暗影
 ゴミ箱と洗濯物


第五章 防衛
 退職者追跡調査
 日銀の機密漏洩事件
 ライバル派閥のスキャンダル調査
 株主の素性と怪文書
 右翼の街宣活動
 思わぬ副産物
 雇用調査の現実
 中途採用の危険


第六章 検証
 ライバル会社の給与体系
 コンサルティング
 マーケティング・リサーチ
 ゴルフ会員の入会審査
 血液鑑定と健康調査
 自分を調べる自己調査
 ある老女の数奇な人生


第七章 潜入
 社内不正を暴く
 産業スパイ
 薬品会社の排水
 会社転覆を防ぐ
 宗教団体の派閥抗争
 野武士集団だったころ


第八章 人脈
 ホステスのスカウトマン
 暴力団の情報ネットワーク
 交番へのご挨拶
 思想調査と公安
 情報収集の水先案内人


第九章 習性
 トイレで写真撮影
 日常学習と記憶力
 探偵気質
 よろず相談
 長いおつき合い


終章 コロンブスの卵〜危機回避のための思考回路

■ カテゴリ




「探偵は語る」紹介ページの最終更新日時
2008年12月29日 00:02:45
ID:93
※実際の販売・ダウンロードは『電子書籍パピレス』にて行われます。