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出版社/著者からの内容紹介
毎日新聞好評連載中の「奥村彪生のお父さん料理」が本になりました。
お父さん、おいしい! と子供たち。お主やるな、と呑み仲間。あり合わせの材料をフライパン1つで手早く作る男の料理。後始末も簡単、健康にグッド。単身赴任の外食シンドロームも、キッチン拒否症もこれで全快、作る楽しさのとりこになる。レシピ付き、応用のヒントもいっぱいで、初めて台所に立ってもOKの至れり尽くせりの一冊。
抄録(「電子書店パピレス」より)
☆タコテン
〈梅肉を衣にカリッと揚げる〉
入道雲と青い空。日差しがきつく、セミの鳴く声に汗が流れます。キリッと冷やした生ビールをコックン、コックンと飲み干す。口元についた泡を手でぬぐい、吹きとばす。そう快です。盛夏はビールがうまい。
一気に飲み干すビールにはおつまみはいらないが、多くの方はなにかをつまみたいそうな。軟らかいゆでダコを使ったてんぷらはいかが。
タコを食べるのは日本人だけではありません。ポルトガルやスペイン、南イタリア、ギリシャなどでも食べます。ギリシャでは道路の石にたたきつけて身を軟らかくしていました。一番てっとり早いのは、イタリアのフィレンツェ風のフライ。ぶつ切りにして小麦粉をまぶしてから揚げ。揚げたてにレモン汁をジューッとかけて食べるのです。
ゆでダコをスライスして、ざく切りにしたトマトやキュウリ、ピーマン、タマネギといっしょにドレッシングで和(あ)えるスペイン風も手軽でよろしい。ドレッシングに青ジソの葉を刻んで混ぜると、清涼感が出て風鈴のような味わい。
私の家でよく作るのがタコテン。ゆでダコ、ちょっと大柄のを買います。必要な量だけ足を切りとり、あとはいくつかに切り分けて再冷凍。一度水で洗って水気をとり、ぶつ切りにします。ケチケチしない。薄く切ると、揚げ方が下手だとゴムみたいになり、お手あげ。
卵をボウルに割り入れ、カタクリ粉、梅干しの果肉のたたいたの、しょうゆポッと、青ジソの葉を混ぜ、衣を作ります。
この衣にタコの切り身を入れて混ぜ、180度Cの油で揚げます。フライパンに油は深さ2.5センチもあれば十分です。強火にかけ、3分もたてば温度が上がります。衣を一滴落とし、中ほどまで沈んで上がってきたら適温です。
タコに火が通ってますから衣をカリっとさせ、中心部があたたまる程度でよいのです。揚げたてがなによりビールをうまくします。ほんにタコタコ踊りをしたくなるほど。
【タコテン】
・タコの足 1本 ぶつ切りにする
卵 1/2個
カタクリ粉 1/3カップ
梅肉 小サジ1/2
青ジソの葉 2枚 みじん切り
しょうゆ 少々
・揚げ油
著者について
奥村 彪生(おくむら あやお)
1937年和歌山県生まれ。料理家。大学時代料理に興味を持ち、中退して土井勝に師事、料理を学ぶ。同料理教室の教授を経てフリーの料理研究家に。東アジアや東南アジアの食文化、日本の伝統料理に造詣が深い。現在、相愛女子短期大学講師、国立民族学博物館協力者、日本風俗史学会理事など、多方面で活躍中。著書に「健康野菜料理」「季節のおかず」ほか多数。