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出版社/著者からの内容紹介
日本テレビ系「行列のできる法律相談所」にレギュラー出演して大人気の人情派弁護士「丸山和也」が、誰にでも起こりうる身近なトラブルや悩み事にズバリ答える。「法律に魂をこめるのは人間の情だ」という「法廷の暴れん坊」が、常識ではわからない、意外なビックリ仰天の法律解釈を駆使して、絶対負けない解決策を示す!
抄録(「電子書店パピレス」より)
21 他人の山で捕獲したクワガタで商売。儲けは誰のもの?
Q 毎年夏になると、近くにある山に入ってカブトムシやクワガタを捕って集め、街で売ります。だいたい一〇万円近く稼げます。ところが、今年、虫を捕っているところを山の所有者に見つかりました。私がその虫で稼いでいたことを知っており、「儲けの五割をよこせ」と主張。これまで五年間くらいやっていたので、合計二五万円です。これって支払う義務はあるんですか?
A 移動するものを捕まえたら、捕まえた人のもの
支払う義務はありません。カブトムシやクワガタは、移動するものですから、「無主物」といって、その山の持ち主の所有物にはならないのです。同様に、山で鳥やイノシシを捕まえたとしても、それは山の持ち主のものではなく、捕まえた人のものになります。
その山の所有物になるのは、木や野菜や果物などです。これらを勝手に伐採したり、採取したりした場合は、窃盗罪になります。ただ、山の所有者の肩をもつとするならば、あなたは不法侵入で違法行為をしたことになるので、その点で損害賠償請求や慰謝料請求をされる可能性は残っています。
ただ、これとて住居侵入ではないし、所有地に無断で入った不法侵入だけで、何らかの損害を与えたとは考えにくく、具体的に損害賠償といっても、それに相当するものがあまり考えられません。山に入って、ついでに畑を荒らしたとか、具体的な損害を与えていない限り、特に損害賠償などもできないでしょう。また、慰謝料といっても、勝手に山に入られて気分を害したといわれても、それで慰謝料が発生するとは考えにくいです。しかし、これから何回も繰り返し侵入した場合は、そうでもありませんから、これは自重したほうがいいです。
22 ヤクザに借金取り立てを依頼できる?
Q 友達に金を一〇〇万円貸していたが、約束の期間がきても返してくれません。裁判をすると時間と費用がかかるので、取り立て業者(ヤクザ)に頼もうと思うのですが、これは問題ないですか?
A 借金取り立ては法律業務なので、原則として弁護士しかできない
こうしたことは実際に多く行なわれていることですが、実はあなたは法律違反に加担することになります。
お金を貸したあなた自身が取り立てに行くことは問題ないのですが、あなたが貸したお金を第三者に取りに行ってもらうのは、たまたま友人に頼むような場合は別として、違法行為をさせることになります。
それが暴力団関係者だからということではなく、取り立てを仕事としている第三者に依頼して実行してもらうことが問題なのです。
弁護士法第七二条では、法律事務に関して、代理とか和解とか、その他の法律業務を取り扱い、これらを斡旋することは、弁護士でない者はできない、と定められているのです。
つまり、借金の取り立てというのは、相手と交渉して債権の回収をはかる立派な法律業務ですから、これを仕事にするのは弁護士しかできません。もちろん、自分が貸した金を自分で取り立てたり、自分の会社が貸した金を、自分の会社で取り立てるのは問題ないのですが、弁護士資格のない第三者に依頼することは、右に定める規定上、問題となります。
もしそんなことをする第三者は、弁護士法違反になり、二年以下の懲役という刑事罰の可能性も出てきます。
依頼したあなたも違法行為に加担したということで、責任が発生する可能性があるので、こうしたことは充分に注意が必要です。
明らかに暴力団関係者と思われる人が、借金の取り立てに来る場合がありますが、暴力団であろうとなかろうと、仕事として取り立てをやる行為は、これまでに述べた理由で違法行為になります。
「あなたは弁護士ですか? でなければ、弁護士法第七二条違反で、違法行為になりますが、警察を呼んでもいいですか?」
といえば、かなりの効果があるでしょう。
さて、こうした危険性を理解したうえで、それでも取り立て業者に頼むというのなら、取り立てを頼むのではなく、債権譲渡してしまうことが考えられます。
要するに、一〇〇万円という債権を取り立て業者に売却するのです。
債権をいくらぐらいで売るかは話し合いしだいですが、仮に五〇万円で売ったとすると、買い取った業者は債務者から五〇万円以上回収すれば、その分だけ実質上の利益になるわけです。
それでも取り立て業者に取り立てを頼んだ場合、業者のなかにはあくどい業者もありますので気をつけなければいけません。
たとえば、取り立てた金の半分を取立料とする旨の約束をしておきながら、結局、そのまま消息を絶ってしまったり、全額回収しておきながら、半分しか回収できなかったと嘘をついたり、いろいろ問題を生じることもあります。
いずれにしても、業者に依頼するというのは、リスクの高い方法です。できれば、あなた自身が根気強く交渉して取り返す、それでもだめなら、弁護士に相談するなりして、正式に法的に処理したほうが安全です。
よく、着手金はいらない、取り立ててやる……とのうまい話にひっかかって泣く人がいますから、あなたも気をつけたほうがいいでしょう。
著者について
丸山 和也(まるやま かずや)
弁護士・弁理士
一九四六年、兵庫県に生まれる。一九六九年、早稲田大学法学部卒業後、一九七〇年に司法試験に合格。一九七五年、渡米。ワシントン大学のロースクールに入学し、その後、ロサンゼルスの法律事務所に3年間勤務。一九八〇年帰国。企業間の紛争・交渉等を中心とした国際法務を得意とする。その他に個人間の問題にも広く取り組んでいる。現在、日本テレビ『行列のできる法律相談所』にレギュラー出演中。人情派弁護士として人気を博している。
●丸山国際法律・特許事務所