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刑法の楽しい読み方

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表紙画像
著者:近藤康二
価格:¥ 420
河出書房新社


■ 内容紹介

出版社/著者からの内容紹介
 決してお世話になりたくないけど、なくては困る法と罰。本書では普通に暮らしていても起こりうる犯罪や、判事が頭を抱えた珍事件、刑事裁判の意外な判決などを取り上げ、楽しみながら刑法に親しめるようにしました。
 自分の身を守るために、思わぬところで道を踏み外さないために、そしてニュースの裏側をより深く知るためにも、刑法の世界を覗いてみませんか?


抄録(「電子書店パピレス」より)
       なぜ日本の死刑執行は完全密行で行われるのか

 日本でも公開され話題を呼んだ映画に『デッドマン・ウォーキング』がある。マドンナの元夫であるショーン・ペンが主人公の死刑囚を熱演し、死刑をめぐる問題を真正面からとらえた映画と、高い評価を受けた作品だ。
 この映画をご覧になった方は、アメリカと日本の死刑制度のちがいに驚いたにちがいない。なぜなら、アメリカでは州によって死刑そのものを認めていないところもあるが、容認している州での死刑執行は、日本の死刑執行制度とは一八〇度ちがうともいえる情報公開がなされているからだ。
 まず、死刑執行の日時はあらかじめ死刑囚本人及びその家族にも伝えられ、最後の時間を共有することが許されている。社会にも執行の日時は伝えられ、死刑そのものに反対を唱える人々が刑務所の周りで抗議活動をしている様子なども、じっさいのニュースで伝えられることがある。
 それに対して、日本の刑務所の周りでは、抗議活動がおこなわれることは絶対にない。死刑制度に反対する人々がいないわけではない。いつ死刑囚が処刑されるのか、正確な日時は執行当日まで、ときには執行後まで公式に伝えられることがないからだ。
 それは死刑囚の家族や弁護人だけでなく、死刑囚本人にさえなかなか知らされない。本人には死刑執行直前に伝えられるケースも多いという。そのため、日本の死刑囚は、家族と最期の言葉を交わしたいという希望もかなえられず、突然処刑場に連れていかれてしまう。
 執行に立ち会うことができるのは、死刑囚が収容されている拘置所の所長、検察官、教誨(きょうかい)師、死刑執行官(刑務官)、死亡確認をする医師ら、ごく一部の関係者にかぎられている。
 それに対して、アメリカでは死刑の執行にマスコミを立ち会わせたり、執行の直前までテレビ撮影を認める州もある。この行為を許すことの是非(ぜひ)は別の機会に譲(ゆず)るとして、とにかく徹底した情報公開がなされていることがわかる。
 いっぽう、日本では法務省が死刑に関しては公式発表を一切しないことからもわかるように、完全な密行主義が貫かれている。いつ、どこで、誰が処刑されたかは、なかなか事実確認できないのだ。
 その理由として、処刑された人物やその家族の名誉、プライバシーを保護するため、他の死刑確定している服役者の動揺を防止、執行官のプライバシー保護など、いろいろな理由づけがなされている。
 だが、死刑囚のなかには、自分がいつ処刑場に連れていかれるか不安な気持ちになり、徐々に精神的に追いつめられてしまう人もすくなくないという。死刑囚にも人権があるはずだと主張する人々のなかには、こうした日本の行刑(ぎょうけい)密行主義を批判する声が多いことだけは付記しておこう。


著者について
 近藤 康二(こんどう やすじ)
 1947年、横浜生まれ。中央大学法学部卒。1976年弁護士登録。登録当初、外国人の人権問題に取り組み、「在日韓国人の国民年金」訴訟の弁護団として控訴審勝訴を勝ち取る。また、刑事事件で無罪判決を得たことも数回ある。日弁連広報室嘱託の経験があり、業界の内外の情報に詳しい。編著に『確約の論理』『暮らしの法律 こんな時どうなる?』ほか数冊ある。

■ カテゴリ




「刑法の楽しい読み方」紹介ページの最終更新日時
2008年12月29日 00:04:16
ID:1401
※実際の販売・ダウンロードは『電子書籍パピレス』にて行われます。