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出版社/著者からの内容紹介
近ごろは若い女性や小・中学生などを巻き込んでの釣りブーム。そんな釣りの醍醐味や面白さをギュウ詰めにしてみた。世界でも珍しい巨大魚や幻の魚を釣り上げた逸話、釣果がグンとアップする釣りのコツ、釣り人なら知っておきたい魚の習性や、確実な釣り情報の集め方あれこれ、世界のユニークな釣法など……。
「釣りってそんなに面白いの?」という人から、釣りバカを自認する人まで、この本にはついついハマってしまうこと請け合いである。
抄録(「電子書店パピレス」より)
千葉沖でマグロと格闘した現代版『老人と海』
『老人と海』といえばヘミングウェイ晩年の有名な作品だが、その内容を彷彿(ほうふつ)させる出来事がかつて千葉県でも起きている。
昭和40(1965)年代のことだからだいぶ前の話になる。ある日、勝浦(かつうら)沖にひとりで船を出していた老漁師から「マグロがかかった」と無線が入った。
連絡を受けた漁協が驚きと喜びにわいたのも当然だ。沿岸のマグロ漁でにぎわっていたという土地の歴史を思い起こした人も多かっただろう。
というのも、1900年代のはじめには千葉あたりの漁船だけで、いまの全国的な年間漁獲量をしのぐほどのマグロを釣っていたからだ。その多くは正真正銘のクロマグロだった。
いまでは考えられないことだが、エンジンのついた船もないころ、沿岸で大量のマグロを釣り上げていた時代があったのだ。これは、秋から冬にかけて接岸するマグロの性質を利用したものだった。
ところが、漁業を発展させるという政府の目論見(もくろみ)で、マグロ船を沖へ向かわせる遠洋漁業奨励法(しょうれいほう)がつくられたこともあって、マグロ漁は世界をまたにかけたものへとかわっていく。
だから、「マグロがかかった」という知らせは、「昔はこのへんでもマグロが釣れた」という話を聞いて育った人々にとって、このうえなく喜ばしいものだったにちがいない。
しかし、その喜びもすぐに心配へととってかわられた。船からの連絡が途絶えてしまったのだ。夜を徹して無線で呼びかけたが、応答はない。
人々の不安は頂点に達した。
そして、正午がすぎたとき、沖合に目をこらす人々の目に老漁師の船が飛び込んできた。そのひとり乗りの小さな船は、立派なクロマグロを曳航(えいこう)している。
連絡が途絶えたのは、マグロと格闘するうちに小型無線機の電波の圏外にまでいってしまったからだったという。小さな船のことゆえ、大マグロに引っぱられればあらがえない。
それでも、老漁師はとうとう釣り上げた。ここいちばんの大勝負に勝ちをおさめたのだから、さぞ晴れがましい気分だっただろう。
このマグロによって老漁師は年収とかわらないほどの稼ぎを得たという。ふつうなら1年かけて得る水揚げ金額と、このクロマグロ1本の値段は同じくらいだったのである
著者について
博学こだわり倶楽部(はくがくこだわりくらぶ)
互いの知識を深め合う、驚くほどの博学集団。メンバーは常人が気にもとめない世の森羅万象にこだわり、その解明のために東奔西走して追求する。著書には「ネコに遊んでもらう本1・2・3」「元祖! ラーメン本」「カラクリがズバリ!わかる本」「命にかかわるコワ〜イ話」「時刻表の楽しい読み方」「知りたかった博学知識シリーズ」などがある。