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出版社/著者からの内容紹介
好評『ここがおかしい日本人の英文法』の第2弾。今度は、受動態・形容詞・副詞編です。Jack is loved by Jill.のような受動文はなぜ不自然か。「美しい自然」とは言えてもbeautiful natureと言えないのはなぜか。I'll call you later.とは言えるのに、I'll see you two hours later.とは言えず、I'll see you in two hours.としなければならないのはなぜか。fairly, quite, rather, prettyは一体どれくらいの「程度」を表わしているのか――あなたは自分が思っているほど、「わかって」いないかもしれない。
抄録(「電子書店パピレス」より)
1.受動態の用法(その1)
〜作り方の基本〜
日本人が受動態について戸惑う部分は、受動態をどのように作るかということと、受動態の使い方が適切かどうか、の2つに大きく分けられるでしょう。使い方の適否のほうが深刻な問題ですが、まずは受動態の作り方の仕組みを簡単に見ておくことにします。ここでは、受動態の一般的な作り方を説明するのではなく、日本人が受動態を作るときにつまずくいくつかの問題点を指摘したいと思います。
能動態の目的語、受動態の主語
たいていの日本人は中学2年生の頃に初めて受動態に出会い、それからかなり長い期間にわたって能動態を受動態に換えたり、またその逆の作業をしたりして過ごすのではないでしょうか。ちょっとできのいい生徒であれば、例えば、Tom kicked Peter. という文を Peter was kicked by Tom. という受動態に換えるのに苦労することはまずないと思います。能動態の目的語を受動態の主語にし、能動態の主語を受動態の動作主 (by……) にすることが正しくできるわけです。
ただ、それでも間違いは少なくありません。例えば、大学生に向かって、Someone stole my bicycle. の受動態は? などと聞くのはかえって失礼にあたるかもしれませんが(My bicycle was stolen by someone.)、それでは、「私は自転車を盗まれた」を英訳せよ、だったらどうでしょう。I was stolen my bicycle. のような文を思い浮かべる人が少なからずいるはずです。学生たちの書く文章にはこれとまったく同様の誤りが散見されます。
(×) I was hit my face.
私は顔を殴られた。
(×) He was taken his seat.
彼は席をとられた。
(×) She was eaten her cake by her dog.
彼女は飼い犬にケーキを食べられた。
(×) I was ignored my opinion.
私は意見を無視された。
(×) I was corrected my mistake.
私は間違いを直された。
こうした間違いのほとんどは、「私は自転車を盗まれた」のような日本語表現に引きずられてしまうことが原因なのでしょう。とはいえ、この点については取り立てて説明すべきことはありません。ご存知のとおり、受動態の文の主語は元は能動態の文の目的語だったわけですから、I was stolen の能動態が Someone stole me になってしまうことに気づきさえすれば、この英訳が誤りであることは明白です。
さらに、受動文の動詞は目的語をとれない――能動文の目的語は受動文の主語になっているので――という理由も加えることができます。ただし次の例のように、能動文で間接目的語と直接目的語の両方をとれるような動詞であれば、受動文でも目的語をとれることになり、そのような受動文と多少区別しにくいといった面はあるでしょう。
●Someone gave me a concert ticket.
→ I was given a concert ticket.
私はコンサートのチケットをもらった。
●Someone sent me a pile of information about holidays in Guam.
→ I was sent a pile of information about holidays in Guam.
私はグアムの休暇旅行についての情報を山ほど送ってもらった。
中学生はおそらく英語学習の早すぎる段階でこの種の受動文の洗礼を受け、そのパターンが頭に焼きついてしまっているのでしょう。
著者について
T・Dミントン
ケンブリッジ大学セント・ジョンズ・カレッジ卒業(文学修士)。日本医科大学助教授、慶應義塾大学非常勤講師、他。著書に、『英語での医学論文の書き方』(共著、ミクス)、『コミュニケーションのための口語英作文』(共著、成美堂)、『読む聞く話す TIME』(アルク)、『東大英語のすべて』(共著、研究社出版)などがある。
青木 義巳(あおき よしみ)
東京外国語大学英米科卒業。総合商社勤務の後、私立高校の教職を経て、代々木ゼミナール専任講師を28年間務める。現在、予備校「プリパス」講師。